蒔絵万年筆の制作工程を動画を使ってご紹介します。今回は粉筒を使って金粉を蒔いていきます。
蒔絵用の筆は大きく二種類あり、線を書く筆と面を塗る時に使う筆(丸筆)に分かれます。今回の場合、塗る面を縁取りする線書き用の筆をフチガキと呼びます。
作業の流れとしてはフチガキで輪郭を書いて丸筆で中を薄く塗り金粉を蒔きます。
金粉は吉井商店の焼丸10号を使用しました。
蒔絵粉の種類や蒔き方によって粉筒を使い分ける必要があります。
そのため粉筒は多くの種類が必要で筒の太さも様々あり、網目はメッシュや平織りの布地、ストッキングなど他にも素材を問わず使われています。市販の粉筒もありますが各々蒔絵師は用途にあったものを自作して表現の幅を広げています。
筒を指で弾くことで金粉を漆を塗った面に蒔く作業は偶然性が多分に含まれることになります。なかなか難しいですが、良い具合に蒔けると気持ちの良いものです。作り手が完全に仕上がりをコントロール出来ないことが却って面白味になるのかなと思います。

金粉を蒔く時に指を弾く動作を長時間していると腕が疲れて指が動かなくなるという経験は誰しもしていると思います。